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景品表示法とナイトビジネスの広告規制 — 「No.1」表記はOK?NG?

ナイトビジネスラボ編集部

ネオンサインが輝く夜の街の広告

「うちの店、『地域No.1』ってSNSに書いちゃってるけど、これって大丈夫なの?」
「新しいキャストが入ったから『今だけ限定!指名料半額!』って宣伝したいけど、どこまで書いていいのか不安…」
「競合店が『都内最大級!』とか『満足度99%!』とか派手な広告を出してるけど、うちも同じようにしないと集客できないのかな?」
「うちみたいな個人経営の小さなスナックでも、法律なんて関係ないって思ってたけど、最近ニュースで摘発の話を聞いて心配になった…」

景品表示法なんて、大手企業の話だと思っていませんか?実は、あなたの店のSNS投稿一つにも、この法律は関係してくるんです。 安心して集客できる広告のルールが、この記事を読めばわかります。

景品表示法ってどんな法律? — 信頼されるお店の基本

景品表示法は、消費者が商品やサービスを誤解なく選べるように、お店の表示(広告)を規制する法律です。 正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」といい、消費者を守り、公正な競争を促すことを目的としています。

この法律は、お店が提供するサービスや料金について、実際よりも良く見せかけたり、誤解させるような表示をすることを禁止しています。

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不当景品類及び不当表示防止法 第1条(目的)
この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者に対する景品類の提供に関する事項を制限することにより、景品類の不提供を促進し、並びに商品及び役務の品質、内容、価格その他の事項に関する不当な表示を禁止することにより、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を規制し、もつて一般消費者の利益を保護するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。[1]

つまり、お客さんがお店を選ぶときに、間違った情報に惑わされないようにするための大切なルールです。 「うちは小さい店だから関係ない」と思われがちですが、規模の大小に関わらず、すべてのお店が守るべき法律です。

ナイトビジネスで特に注意すべき「不当表示」とは?

実際よりも良く見せかけたり、根拠のない「No.1」などの表現は「不当表示」にあたります。 景品表示法では、大きく分けて「優良誤認表示」と「有利誤認表示」の2種類の不当表示を禁止しています。

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不当景品類及び不当表示防止法 第5条(不当な表示の禁止)
事業者は、次に掲げる表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると誤認させる表示であつて、不当に顧客を誘引し、又は一般消費者との取引を公正を害するおそれがあるもの
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく有利であると誤認させる表示であつて、不当に顧客を誘引し、又は一般消費者との取引を公正を害するおそれがあるもの[1]

この条文が、ナイトビジネスの広告表現を考える上で最も重要になります。 具体的にどのような表示がNGになるのか、見ていきましょう。

優良誤認表示 — 「最高級」や「No.1」の落とし穴

「優良誤認表示」とは、お店のサービスやキャストの質、お店の雰囲気などが、実際よりも著しく優れていると誤解させる表示のことです。 具体的には、以下のような表現が該当する可能性があります。

表現例なぜNGになりやすいか
「地域No.1の美女が揃う店!」客観的な根拠がなく、主観的な評価を断定的に表現しているため。
「最高級のホスピタリティを提供!」「最高級」という言葉に具体的な基準がなく、消費者が誤解する可能性があるため。
「満足度99%!」アンケート調査など、客観的なデータに基づいているか、調査方法が適切か証明できない場合。
「売上〇億円突破!」実際の売上と異なる場合や、特定の期間や条件を明記しない場合。
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現場でつまずきやすいポイント — 「No.1」の根拠、本当にありますか?
「地域No.1」や「満足度99%」と書く前に、その根拠を客観的に証明できるか確認していますか? 例えば、第三者機関による調査結果や、特定の期間における明確な売上データなど、具体的な証拠がなければ、たとえ事実だと思っていても不当表示とみなされる可能性があります。 キャストやスタッフの感覚的な「一番」は、法律上は危険な表現です。

このような表現を使う場合は、必ずその根拠となる客観的なデータや調査結果を明確に示し、誰が見ても納得できる状態にしておく必要があります。

有利誤認表示 — お得感を装う表示の危険性

「有利誤認表示」とは、お店の料金やサービス内容が、実際よりも著しくお得であると誤解させる表示のことです。 例えば、「初回限定」と謳いながら、実は常にその価格で提供している場合や、追加料金が大きくかかることを小さく表示するケースなどが該当します。

表現例なぜNGになりやすいか
「今だけ半額キャンペーン!」「今だけ」と謳いながら、実際には常時その価格で提供している場合。
「初回限定1,000円!」「別途サービス料50%」「指名料3,000円」など、高額な追加料金が小さく表示されている場合。
「ボトルキープ無期限!」実際には1年間など期限が設けられているにも関わらず、無期限と表示している場合。

料金に関する表示は、お客さんの来店動機に直結するため、特に慎重な対応が求められます。 すべての条件を明確に、わかりやすく表示することが重要です。

SNSでのプロモーション、ここが危ない!

InstagramやX(旧Twitter)などのSNSは、ナイトビジネスにとって強力な集客ツールです。 しかし、手軽に情報を発信できる反面、景品表示法の規制対象となる広告とみなされやすく、注意が必要です。

特に、インフルエンサーやキャスト個人による投稿も、お店の宣伝として扱われることがあります。 2023年10月からはステルスマーケティング(ステマ)規制も始まり、広告であることを隠して宣伝する行為は景品表示法違反となります[3]

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ステルスマーケティング規制のポイント
事業者がインフルエンサーなどに依頼して宣伝してもらう場合、それが「広告である」ことを消費者にわかるように表示しなければなりません。
例:「#PR」「#広告」「[PR]」などの表記を投稿に含める。

キャストの個人アカウントでの投稿であっても、お店から報酬を受け取って宣伝している場合は、広告表示義務の対象となる可能性があります。 お店のSNS運用ガイドラインを明確にし、キャストにも周知徹底することが大切ですし、広告主であるお店が責任を問われることになります。

違反したらどうなる? — 信頼を失う代償

景品表示法に違反した場合、単に罰則があるだけでなく、お店の信用を大きく損なうことになります。 具体的には、以下のような処分や影響が考えられます。

行政処分

  • 措置命令: 消費者庁から、不当な表示をやめること、再発防止策を講じること、誤解を招いたことを周知することなどを命じられます[1]。 これに従わない場合は、罰則の対象となります。
  • 課徴金納付命令: 不当な表示によって得た売上の一部(原則として対象商品の売上額の3%)を国に納めるよう命じられます[1]。 ナイトビジネスの場合、この売上額の計算が複雑になることもあります。

罰則

措置命令に違反した場合などには、刑事罰が科されることがあります。

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不当景品類及び不当表示防止法 第36条(罰則)
第七条第一項の規定による命令に違反した者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の罪を犯した者が法人であるときは、その法人に対して、三億円以下の罰金を科する。[1]

個人事業主でも懲役や罰金、法人であれば最大3億円の罰金が科される可能性があり、決して軽視できるものではありません。

社会的信用と風評被害

何よりも大きいのは、お客さんからの信頼を失うことです。 一度「嘘の広告を出している店」というイメージがついてしまうと、集客は困難になり、回復には長い時間と労力がかかります。 SNSなどでの情報拡散も早く、風評被害はあっという間に広がる可能性があります。

誇大広告を防ぐためのチェックリスト

安心して集客活動を行うために、広告やSNS投稿を作成する際のチェックリストを活用しましょう。

  • 客観的な根拠の確認: 「No.1」「最高」「最大」などの表現を使う場合、その根拠となるデータや調査結果はありますか? 誰が見ても納得できる客観的な証拠が必要です。
  • 具体的な条件の明記: 「初回限定」「〇〇キャンペーン」などの表示には、適用条件(期間、対象者、追加料金など)を明確に記載していますか? 小さすぎる文字やわかりにくい場所への記載はNGです。
  • 比較表現の注意: 他店と比較して「より安い」「より質が高い」と謳う場合、その比較対象や根拠は明確ですか? 事実に基づかない比較は不当表示になります。
  • ステルスマーケティング対策: インフルエンサーやキャストに宣伝を依頼する場合、「#PR」「#広告」などの表示を徹底していますか? 広告であることを隠す行為は禁止されています。
  • 定期的な見直し: 過去の広告やSNS投稿も、現在の法律や実態に合っているか定期的に見直しましょう。 古い情報が誤解を招くこともあります。

これらのチェックを習慣化することで、法律違反のリスクを減らし、お客さんから信頼されるお店作りにつながります。

よくある質問

Q1: 「No.1」と表示したい場合はどうすればいい?

「No.1」と表示したい場合は、必ず客観的な根拠が必要です。例えば、「〇〇調査会社調べ、2024年△月度、地域における来店者数No.1」のように、調査機関、調査時期、調査項目、根拠となるデータなどを明記する必要があります。根拠がなければ「No.1」と表示することはできません。

Q2: どこまでが「根拠」として認められる?

「根拠」として認められるのは、客観的で合理的なデータです。具体的には、第三者機関による調査結果、公的な統計データ、専門家による評価、自社調査であっても調査方法が明確で信頼性が高いものなどが挙げられます。キャストやスタッフの個人的な意見や感想は根拠にはなりません。

Q3: SNSの投稿も景品表示法の対象?

はい、SNSの投稿も景品表示法の対象となります。お店の公式アカウントはもちろん、キャスト個人のアカウントであっても、お店のサービスや料金について宣伝する内容であれば規制の対象です。特に、お店から報酬を受け取って宣伝する場合は、ステルスマーケティング規制にも注意が必要です。

Q4: 競合が違反している広告を出している場合、どうすればいい?

競合店が明らかに景品表示法に違反していると思われる広告を出している場合でも、自店も同じように違反することは許されません。 もし気になる場合は、消費者庁や公正取引委員会に情報提供をすることができます。 ただし、自店が違反しないことが最も重要です。

Q5: 小さなスナックでも景品表示法は関係ある?

はい、お店の規模に関わらず、景品表示法はすべてのお店に適用されます。 個人経営の小さなスナックであっても、SNSや店頭のポスターなどでサービス内容や料金を宣伝する限り、この法律を守る義務があります。 「うちは関係ない」という思い込みは危険です。

この記事の運営者

ナイトビジネスラボ編集部

東京・秋葉原でコンセプトカフェ・バー4店舗を運営する株式会社アキグラが、 現役店舗経営の実務経験と法令の一次情報に基づいて執筆・監修しています。運営者情報を見る

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