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NIGHTOSで実現!ナイトビジネスのVIP・新規顧客別サービス戦略

執筆: ナイトビジネスラボ編集部|監修: 中井敦(株式会社アキグラ 代表取締役)

夜のバーカウンターで接客するイメージ

「常連さんがいつも頼むお酒を、新しく入ったスタッフが知らなかった」
「初めて来てくれたお客さんが、それきり二度と来ない」
「大事なお客さんにも初来店の人にも、同じ接客、同じ連絡を送っている」
「顧客リストはあるのに、誰が太客で誰が離れかけなのか、見ても分からない」

「うちは小さい店だから、お客さんを分けるほどじゃない」と思っていませんか。 店の大きさは関係ありません。 VIPのお客様と新規のお客様は、同じお客様でも欲しいものがほぼ逆だからです。

VIPが価値を感じるのは「覚えていてくれること」。新規が価値を感じるのは「迷わず楽しめること」。 ここを取り違えると、どちらも静かに離れていきます。

お客様を分けるって、何を基準にするの?

お客様をグループに分けることを、業界では「顧客セグメンテーション」と呼びます。 難しい話ではありません。「必要なものが違う人に、必要なものを渡す」ための仕分けです。

「分ける」と聞くと、お客様に優劣をつけるようで気が引けるかもしれません。 けれど、全員に同じ対応をすることが、実は一番不公平です。 初めて来た人に常連向けの内輪の話をしても置いてけぼりになり、常連に初回向けの説明をしても退屈させるだけです。

1

来店の頻度

どれくらいの間隔で来ているか

2

使った金額

1回の会計と、これまでの合計

3

最後に来た日

いつもの間隔より空いていないか

この3つは、会計と来店の記録があれば自然に溜まります。 NIGHTOSのような顧客管理の仕組みで、来店・会計・メモをお客様ごとに紐づけて残しておけば、集計を自分で組む必要はありません。

「記録する手間がない」という声も聞こえてきそうです。 最初から細かく取る必要はありません。会計のときに一言メモを1つ入れる。まずはそれだけで十分です。

VIP顧客はどう見分ける?

来店の頻度と使った金額の2つを並べて見るのが基本です。金額だけで線を引くのはおすすめしません。

金額だけで決めると、見落とす人が出てきます。 たとえば、1回の会計は小さくても毎週のように顔を出してくれる常連。 あるいは自分はあまり使わないけれど、友人を連れてきてくれる人。 こうしたお客様は、店の空気をつくり、新しいお客様を運んでくれる存在です。

線の引き方は店ごとに違ってかまいません。 コツは、スタッフ全員が顔と名前を一致させて覚えられる人数に絞ることです。 多すぎると「VIP」が名前だけになり、特別扱いが雑になります。

では、見分けたVIPに何をすればよいのか。 値引きや高いボトルのサービスを思い浮かべた人は、少し待ってください。

VIP顧客に効く3つの対応

VIPが求めているのは、安さよりも「自分のことを分かってくれている」という手応えです。 特典を値引きに頼ると、一度下げた価格は戻しにくくなります。 記憶と気配りなら、お金をかけずに続けられます。

1

好みと「いつもの」を全員が知っている状態にする

飲み物の銘柄、座る席、話しかけてほしい時と放っておいてほしい時、苦手な話題。 これをメモに残しておけば、担当が休みの日でも「いつもの」が通じます。

2

いつもの間隔が空いたら、一言だけ連絡する

普段は月に何度も来る人が、しばらく顔を見せない。そのときに営業色の薄い一言を送ります。 「最近お見かけしないので、どうされているかなと思って」くらいの温度が、押しつけになりません。

3

担当が替わっても引き継ぐ

VIPとの関係が担当者一人の頭の中にあると、その人が休む、辞める、それだけで途切れます。 店のデータに残しておくことが、関係を守る一番の保険です。

✓
特別扱いは「静かに」
VIP向けの対応は、他のお客様の目につかない形で行うのが基本です。 目立つ優遇は、周りの居心地を悪くします。

新規顧客を2回目につなぐ3つの対応

新規のお客様にとって大切なのは、特別扱いよりも「初めてでも居心地がいい」ことです。 店の勝負どころは2回目の来店だと考えています。 1回目は物珍しさでも来てくれますが、2回目は「また来たい理由」がないと動かないからです。

1

初回は聞きすぎず、呼び方と好みだけつかむ

どう呼ばれたいか、何を飲むか、どんな過ごし方が好きか。この程度で十分です。 連絡先や仕事の話を最初から根掘り葉掘り聞くと、警戒されます。

2

連絡先をもらうなら、使い道を先に伝える

「来店のお礼や、営業日のご案内をお送りします」と一言添えます。 使い道を伝えることは、お客様への気遣いであると同時に、法律上の決まりにも関わります(後述します)。

3

次に来る理由を、会話の中に残す

「この前の話の続きを聞かせてください」「次はあのお酒も試してみてください」。 前回の会話を覚えているだけで、2回目に来る理由になります。そのためにも、その日のうちに一言メモを残します。

VIPと新規の違いを1枚で整理

項目VIP顧客新規顧客
求めているもの覚えていてくれる安心感初めてでも迷わない居心地
記録しておくこと好み、席、記念日、避けたい話題呼び方、好み、来店のきっかけ
連絡の温度個人宛ての、短く自然な一言お礼と営業日の案内が中心
やってはいけないこと担当が替わって好みを忘れる初回から踏み込んだ質問をする

顧客データを使うときの決まりごと

お客様の名前、連絡先、好みのメモ。これらは個人情報にあたります。 お客様を一人ひとり分けて対応するほど、店は個人情報を多く持つことになります。

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個人情報保護法の要点(原文ではなく要約)
・個人情報を扱う事業者は、何のために使うか(利用目的)をできるだけはっきり決める
・集めるときは、その利用目的を本人に伝えるか、あらかじめ公表しておく
・決めた目的の範囲を超えて使わない[1]

実務では、レジ横やメニューに「お預かりした情報は、ご来店のお礼とご案内に使います」と書いておくだけでも筋が通ります。 細かい運用の考え方は、個人情報保護委員会が公開しています[2]。

もう一つの判断基準は、書かない勇気です。 健康や家族の事情など、接客に必要以上に踏み込んだ内容は、記録しないほうが店にもお客様にも安全です。

現場でつまずきやすい入力のタイミング

分け方も対応も決めたのに、続かない。その原因の多くは、データを入れるタイミングにあります。

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現場でつまずきやすいポイント
・営業終わりにまとめて入力すると、好みや会話の内容が抜け落ちる。会計の直後に一言だけ入れる運用にする
・担当者が個人の携帯や手帳に情報を持っていると、退店や担当替えのときに店から消える。情報は店のデータに集め、辞める日の引き継ぎ手順(見られる範囲の変更、個人側の控えの削除)を先に決めておく

入力の手間をゼロにはできません。けれど、その場で10秒かけるほうが、後から思い出して15分かけるより確実です。

明日から始める3ステップ

1

3つのグループに分ける

VIP、新規、それ以外の3つで十分です。VIPは全員の顔が浮かぶ人数に絞ります。

2

メモの項目を1つだけ決める

たとえば「いつもの飲み物」だけ。全員が毎回入れる項目を1つ決めるほうが、項目を増やすより続きます。

3

1週間後に見直す

VIPなのに最近来ていない人はいないか。新規のうち、2回目に来てくれた人は誰か。 この2点を眺めるだけで、次の一手が見えてきます。

常連の好きなお酒を、誰が入っても自然に出せる。初めてのお客様が、帰り際に「また来ます」と言ってくれる。 冒頭の4つの悩みは、特別な才能ではなく、記録と仕分けの習慣で変わります。

よくある質問

Q. VIPの基準は、金額だけで決めてもいいですか?

おすすめしません。来店の頻度や、友人を連れてきてくれるかどうかも合わせて見てください。 1回の会計が小さくても、店の空気を支えている常連は少なくありません。

Q. 新規のお客様に連絡先を聞くのは失礼ですか?

使い道を伝えたうえで、相手が納得したときだけ受け取れば失礼にはなりません。 初回に無理に聞かず、2回目以降に自然な流れで聞く方法もあります。

Q. VIPを優遇すると、ほかのお客様から不満が出ませんか?

目に見える優遇でなければ、不満にはなりにくいです。 好みを覚えている、間隔が空いたら声をかけるといった対応は、周りに気づかれにくい優遇です。

Q. スタッフが少なくて、記録まで手が回りません。

項目を1つに絞り、会計の直後に入れるルールにしてください。 全員が毎回入れる1項目のほうが、詳しいが誰も入れない10項目より役に立ちます。

Q. 顧客情報は、スタッフ全員が見られる状態でもいいですか?

見られる人は、仕事に必要な範囲に絞るのが基本です。 個人情報保護法は、事業者に情報の管理を求めています[1]。 退店したスタッフが見られる状態になっていないかも、定期的に確認してください。

参考・出典

この記事の執筆・監修

ナイトビジネスラボ編集部(監修: 中井敦 — 株式会社アキグラ 代表取締役)

東京・秋葉原でコンセプトカフェ・バー4店舗を現役で運営する株式会社アキグラの編集チームが執筆し、 代表取締役の中井敦が店舗経営の実務経験と法令の一次情報に基づいて監修しています。運営者情報を見る

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