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風営法の年少者立入制限 — 18歳未満はなぜ入れない? 条文と罰則を解説

ナイトビジネスラボ編集部

バーの入り口に立つ人物と年齢制限のサイン

「『未成年をうっかりお店に入れてしまって、営業停止になったらどうしよう…』」
「『年齢確認って、どこまで厳しくやれば法律的に大丈夫なの?』」
「『うちの従業員、ちゃんと年齢確認のルールを理解してるか不安だ…』」
「『ガールズバーやコンカフェでも、キャバクラと同じルールが適用されるの?』」

ナイトビジネスを経営するあなたにとって、年齢確認のトラブルは、お店の存続を脅かす最大のリスクの一つです。たった一度のミスが、高額な罰金や営業停止、さらには逮捕にまでつながる可能性があります。

この記事では、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)で定められている「18歳未満の年少者立入制限」について、法律の条文から具体的な罰則、そしてお店でできる効果的な対策までを、専門用語を使わずにわかりやすく解説します。

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この記事はこんな人向け
・キャバクラ、ホストクラブ、バー、スナックなどを経営している
・ガールズバーやコンカフェなど、風営法の適用範囲が不安な店舗の経営者
年齢確認のルールを従業員にしっかり教育したい
未成年入店による罰則について正確に知りたい
年齢確認トラブルを未然に防ぎたい

18歳未満はなぜお店に入れないの? — 風営法の基本ルール

風営法によって、18歳未満の人が風俗営業の店舗に客として立ち入ることや、従業員として働くことは原則として禁止されています。

これは、年少者の健全な育成を保護するための法律で、特に夜間の時間帯や接待を伴う場所での立ち入りが厳しく制限されています。違反すると、お店の経営者には重い罰則が科せられます。

法律ではこう書いてある — 風営法の条文をチェック

まずは、実際に風営法がどのように定めているのか、その条文を見てみましょう。

「年少者の立入禁止」を定めた第18条

風営法第18条では、お店の入口に「18歳未満の人は入れません」という表示をする義務について定めています。

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風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第18条(年少者の立入禁止)[1]
風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、十八歳未満の者がその営業所に立ち入つてはならない旨(第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時以後の時間において立ち入つてはならない旨(第二十二条第二項の規定に基づく都道府県の条例で、午前六時後午後十時前の時間における十八歳未満の者の立入りの禁止又は制限を定めたときは、午後十時以後の時間において立ち入つてはならない旨及び当該禁止又は制限の内容))を営業所の入口に表示しなければならない。 接待飲食等営業を営む風俗営業者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。 営業所で客に接する業務に従事する者(以下「接客従業者」という。)に対し、接客従業者でなくなつた場合には直ちに残存する債務を完済することを条件として、その支払能力に照らし不相当に高額の債務(利息制限法(昭和二十九年法律第百号)その他の法令の規定によりその全部又は一部が無効とされるものを含む。以下同じ。)を負担させること。 その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させた接客従業者の旅券等(出入国管理及び難民認定法第二条第五号の旅券、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項の運転免許証その他求人者が求職者の本人確認のため通常提示を求める書類として政令で定めるものをいう。以下同じ。)を保管し、又は第三者に保管させること。 接待飲食等営業を営む風俗営業者は、接客業務受託営業を営む者が当該接客業務受託営業に関し第三十五条の三の規定に違反する行為又は売春防止法第九条、第十条若しくは第十二条の罪に当たる違法な行為をしている疑いがあると認められるときは、当該接客業務受託営業を営む者の使用人その他の従業者で当該違反行為の相手方となつているものが営業所で客に接する業務に従事することを防止するため必要な措置をとらなければならない。 第二条第一項第一号の営業を営む風俗営業者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。 第十七条に規定する料金について、事実に相違する説明をし、又は客を誤認させるような説明をすること。

この条文は少し複雑ですが、要するに「風俗営業のお店は、18歳未満の人が入ってはいけないことを入口にハッキリ表示しなさい」という義務を定めています。特に、バーやスナックのような「第2条第1項第5号の営業」(特定遊興飲食店営業)では、午後10時以降の入店が禁止されることが明記されています。

「禁止行為」を定めた第22条

そして、実際に18歳未満の人を入店させたり、働かせたりすることを禁止しているのが、風営法第22条です。

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風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第22条(禁止行為)[1]
風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。 当該営業に関し客引きをすること。 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせること。 営業所で午後十時から翌日の午前六時までの時間において十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。 十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること(第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時から翌日の午前六時までの時間において客として立ち入らせること。)。 営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること。 都道府県は、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、第二条第一項第五号の営業を営む者が午前六時後午後十時前の時間において十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせることを禁止し、又は当該営業を営む風俗営業者が当該時間において十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせることについて、保護者の同伴を求めなければならないものとすることその他必要な制限を定めることができる。 第二条第一項第一号の営業を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。

この条文は、風俗営業者が「してはいけないこと」を具体的に列挙しています。特に注目すべきは、以下の3つの項目です。

具体的にどんな行為が禁止されているの?

風営法では、主に「18歳未満の客の入店」「18歳未満の従業員の雇用」「20歳未満への酒類・たばこ提供」が禁止されています。これらの行為は、年少者の保護という観点から厳しく規制されており、違反すると罰則の対象となります。それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

18歳未満を「客」として入店させること

風営法第22条第1項第5号で、「十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること」が禁止されています。

これは、キャバクラやホストクラブ、接待を伴うバー・スナックなど、すべての風俗営業に共通するルールです。たとえ親の同伴があったとしても、18歳未満の客を店に入れることはできません。

ただし、「特定遊興飲食店営業」(クラブ、ディスコ、ライブハウスなどで深夜に酒類を提供し、客に遊興させる営業)については、午後10時から翌日の午前6時までの時間帯での入店が禁止されています。それ以外の時間帯については、都道府県の条例でさらに制限が設けられる場合があります。

18歳未満を「従業員」として働かせること

風営法第22条第1項第3号と第4号では、18歳未満の従業員に関する禁止事項が定められています。

  • 「営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせること」(第3号)
    これは、18歳未満の従業員に、お客様の隣に座って話したり、お酒を注いだりといった「接待」をさせることを全面的に禁止しています。
  • 「営業所で午後十時から翌日の午前六時までの時間において十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること」(第4号)
    接待を伴わない業務(例えば、清掃や調理補助など)であっても、午後10時から翌日の午前6時までの深夜時間帯に18歳未満の従業員を働かせることは禁止されています。

つまり、18歳未満の人を風俗営業の店舗で「接待」業務に従事させることは時間帯を問わず禁止されており、その他の業務であっても深夜帯は働かせることができません。

20歳未満に「酒類・たばこ」を提供すること

風営法第22条第1項第6号では、「営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること」を禁止しています。

これは、未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法に基づくもので、風俗営業の店舗に限らず、飲食店全般に適用されるルールです。たとえ18歳や19歳であっても、20歳未満の人にはお酒やたばこを提供してはいけません。

年齢確認はどこまでやるべき? — 義務と対策

年齢確認は、これらの禁止行為を犯さないための最も重要な防衛策です。法律上の義務と、お店でできる具体的な対策を見ていきましょう。

風営法には、直接的に「年齢確認を義務付ける」という条文はありません。しかし、18歳未満の入店や雇用、20歳未満への酒類・たばこ提供が禁止されている以上、これらを防ぐために年齢確認を行うことは、実質的な義務となります。

警察庁の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」でも、これらの禁止行為を防ぐための措置を講じるよう求めています[2]。年齢確認を怠り、結果として違反行為があった場合、「知らなかった」では済まされません。

有効な身分証明書と偽造対策

有効な身分証明書とは、顔写真付きで生年月日が記載されており、偽造されにくいものです。

有効な身分証明書(例)注意が必要な身分証明書(例)
運転免許証学生証(顔写真なし、偽造リスク)
マイナンバーカード健康保険証(顔写真なし、本人確認が難しい)
パスポート住民票の写し(顔写真なし、即時性がない)
在留カードクレジットカード(年齢確認には不適)
住民基本台帳カード(顔写真付き)名刺、社員証(公的証明ではない)

身分証明書を確認する際は、以下の点に注意しましょう。

1

顔写真と本人が一致するか確認

パッと見て本人と違うと感じたら、別の身分証を求めるか、入店を断る勇気を持ちましょう。

2

生年月日をしっかり確認

西暦と和暦の両方を確認し、計算ミスがないようにしましょう。

3

偽造・加工の痕跡がないか確認

写真の貼り替え、文字の書き換え、ラミネート加工の不自然さなどをチェックします。最近は精巧な偽造品も増えているため、不審な点があれば入店を断りましょう。

4

有効期限を確認

期限切れの身分証は無効です。

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「身分証忘れました」はNG
身分証明書を提示できないお客様は、年齢確認ができないため、入店を断るのが原則です。 「後で持ってきます」「写真ならあります」なども、確実な確認方法とは言えません。

従業員への教育とマニュアル化

年齢確認は、お店の入り口に立つスタッフだけでなく、店内の全従業員が意識すべきことです。

  • 定期的な研修:年齢確認の重要性、有効な身分証明書の種類、偽造の見分け方などを定期的に教育しましょう。
  • マニュアルの作成:年齢確認の手順、トラブル発生時の対応、入店拒否の基準などを明確にしたマニュアルを作成し、全従業員に周知徹底します。
  • 責任者の配置:年齢確認の最終判断やトラブル対応を行う責任者を明確にし、従業員が困ったときに相談できる体制を整えましょう。

違反したらどうなる? — 重い罰則と行政処分

風営法に違反した場合、経営者には非常に重い罰則が科せられます。

刑事罰(罰金・懲役)

18歳未満の客を入店させたり、18歳未満の従業員を働かせたりした場合、風営法第49条により、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定められています[1]

また、20歳未満に酒類やたばこを提供した場合は、未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法に基づき、「50万円以下の罰金」が科せられる可能性があります[3][4]

18歳未満入店・雇用

2年以下の懲役

または200万円以下の罰金、あるいは両方

20歳未満への酒・たばこ提供

50万円以下の罰金

行政処分(営業停止・許可取り消し)

刑事罰だけでなく、公安委員会による行政処分も行われます。

  • 営業停止:数日から数ヶ月間の営業停止処分が下されます。この期間は一切営業ができなくなり、大きな経済的損失が発生します。
  • 許可取り消し:悪質な違反や繰り返しの違反の場合、風俗営業の許可そのものが取り消されることがあります。こうなると、その場所で二度と風俗営業ができなくなるため、お店の閉鎖を意味します。

行政処分は、刑事罰とは別に科せられるため、両方の処分を受ける可能性があります。

お店の信用失墜という見えないリスク

罰則や行政処分だけでなく、未成年に関するトラブルは、お店の信用を大きく傷つけます。

  • 風評被害:SNSやニュースで情報が拡散され、お店のイメージが著しく低下します。
  • 客足の減少:信用を失ったお店には、お客様が離れていきます。
  • 従業員の離反:コンプライアンス意識の低いお店からは、優秀な従業員も離れていく可能性があります。

一度失った信用を取り戻すのは非常に困難です。年齢確認の徹底は、お店を守るための最低限のルールであることを、経営者も従業員も深く理解しておく必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q1: 18歳未満でも、保護者が同伴していれば入店できますか?

いいえ、できません。風営法では、18歳未満の客の入店を原則として禁止しており、保護者の同伴があってもこのルールは変わりません。

Q2: 18歳未満の従業員を、調理や清掃などの裏方業務で働かせることはできますか?

接待を伴わない業務であれば、午後10時から翌日の午前6時までの深夜時間帯以外であれば可能です。ただし、風俗営業の店舗では、18歳未満の従業員に「接待」をさせることは時間帯を問わず全面的に禁止されています。

Q3: 身分証明書を忘れたお客様は、どう対応すればいいですか?

身分証明書を提示できないお客様は、年齢確認ができないため、入店を断るのが原則です。口頭での年齢申告や、身分証の写真を提示されても、確実な確認方法とは言えません。

Q4: 外国人のお客様の年齢確認は、どうすればいいですか?

パスポートや在留カードなど、顔写真と生年月日が記載された公的な身分証明書で確認します。偽造のリスクも考慮し、不審な点があれば入店を断りましょう。

Q5: 年齢確認を徹底しても、偽造身分証で入店されてしまった場合、お店は罰せられますか?

お店が年齢確認を適切に行っていたにもかかわらず、精巧な偽造身分証によって騙されてしまった場合は、故意ではないと判断され、罰則が軽減される可能性があります。しかし、確認が不十分であったと判断されれば、罰則の対象となることもあります。日頃からの従業員教育と、確認の徹底が重要です。

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