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ナイトビジネスと暴力団排除条例 — 反社チェックと契約書の必須条項

ナイトビジネスラボ編集部

契約書とペン、真剣なビジネスのイメージ

「長年の付き合いだから大丈夫だろう」と、取引相手を深く調べずに契約していませんか?
「みかじめ料なんて絶対払わない!」と思っていても、知らず知らずのうちに反社会的勢力(以下、反社)にお金が流れていたら…?
「新しい取引先と契約する時、どこまで調べればいいのか基準がわからない」と悩んでいませんか?
「従業員が反社と関わってしまわないか心配。どう指導すればいい?」と不安を感じていませんか?

ナイトビジネスを経営する上で、「暴力団排除条例」(通称:暴排条例)は避けて通れない重要なルールです。 この条例は、単に「暴力団にみかじめ料を払わない」というだけでなく、あなたのビジネスが反社と一切関わらないようにするためのルールを定めています。 知らなかったでは済まされない、厳しい罰則も設けられています。

この記事では、ナイトビジネス経営者の皆さんが暴排条例で困らないよう、専門用語を使わず、中学生でもわかる言葉で「反社チェック」の必要性から「契約書の必須条項」まで、 具体的な対策をわかりやすく解説します。

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この記事はこんな人向け
・バー、スナック、キャバクラ、ホストクラブなどを経営している
・新しい取引先との契約時に反社チェックの方法を知りたい
・既存の取引先や従業員との関係に不安がある
・みかじめ料や不当な要求への対応策を知りたい
・暴排条例の基本的な知識と対策を学びたい

暴力団排除条例って何?ナイトビジネス経営者が知るべき基本

暴力団排除条例(暴排条例)は、暴力団を社会から孤立させ、その活動を困難にすることを目的に、 各都道府県や市町村が定めている条例です。 これは、暴力団による不当な行為から市民生活や事業活動を守るための大切なルールです。

この条例の大きな特徴は、暴力団員だけでなく、暴力団と関係を持つ人や団体(反社会的勢力)との関わりも規制している点です。 つまり、直接暴力団員でなくても、その活動を助けるような行為は許されません。

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【暴排条例の主なポイント(一般的な内容)】
各自治体の暴排条例は、主に以下の点を定めています。
1. 暴力団への利益供与の禁止: 暴力団員や反社会的勢力に対し、金銭や物品、サービスなどを提供することを禁止します。
2. 事業者の努力義務: 事業者は、暴力団との関係を遮断するための努力をする義務があります。
3. 契約からの排除: 契約を結ぶ相手が反社であることが判明した場合、契約を解除できる条項を設けるよう促します。
4. 不当要求への対応: 暴力団からの不当な要求に対しては、毅然とした態度で拒否し、警察等に相談するよう求めます。
※これは一般的な条例の精神をまとめたものであり、具体的な条文は各自治体によって異なります。[1]

多くの経営者が「自分は暴力団と関係ないから大丈夫」と考えがちですが、 この条例は「知らず知らずのうちに関わってしまうこと」も防ぐことを目的としています。 特にナイトビジネスは現金取引が多く、人と人との繋がりが密なため、反社が入り込みやすい環境にあると言われています。

「反社会的勢力」って具体的にどんな人たち?

「反社会的勢力」という言葉はよく聞きますが、具体的にどんな人たちを指すのでしょうか? 警察庁の定義などを参考にすると、主に以下の特徴を持つ人や団体を指します。

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【反社会的勢力の一般的な定義】
暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人を指します。 具体的には、以下のようなものが含まれます。
・暴力団、暴力団員、暴力団準構成員
・暴力団関係企業(暴力団が経営に関与している企業や、暴力団に資金提供している企業など)
・総会屋、社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団など
・その他、暴力団と密接な関係を持つ者
重要なのは、「暴力団そのもの」だけでなく、「暴力団とつながりのある人や企業」も含まれるという点です。[1]

つまり、直接暴力団員でなくても、その裏で暴力団とつながっていたり、 暴力団の活動を助けるような企業や個人も「反社会的勢力」と見なされる可能性があります。 この定義は広く、「知らなかった」では済まされないため、注意が必要です。

なぜナイトビジネスは特に狙われやすいのか?

ナイトビジネスは、その性質上、反社に狙われやすいと言われています。主な理由は以下の通りです。

良い点

  • 現金取引が多く、資金の流れを追いにくい
  • 人と人との繋がりが密になりやすく、関係構築が容易
  • トラブルが発生しやすく、介入の余地がある
  • 風営法など複雑な法規制があり、付け込まれやすい弱みがある
  • 「夜の街」というイメージから、反社との繋がりを疑われやすい

課題

  • 資金源の確保(みかじめ料、用心棒代、高利貸しなど)
  • トラブル解決を装って介入し、支配力を強める
  • 従業員や客への影響力行使、情報収集
  • 店舗の乗っ取りや名義貸しによる事業支配
  • 合法的な事業に見せかけた資金洗浄や活動拠点化

特に、「トラブル解決」を装って近づいてくるケースには注意が必要です。 最初は親切に見えても、一度関係を持ってしまうと、そこから抜け出すのは非常に困難になります。

みかじめ料は絶対ダメ!提供側も処罰の対象に

「みかじめ料」とは、暴力団が特定の地域や店舗に対し、営業の保護を名目に不当に徴収する金銭のことです。 昔は「用心棒代」などと言われ、半ば慣習のように支払われていた時代もありました。

しかし、現在の暴排条例では、みかじめ料を「要求すること」だけでなく、「支払うこと」も禁止されています。つまり、提供した側も処罰の対象になる可能性があるのです。

みかじめ料の提供

禁止

提供側も処罰対象の可能性あり

これは、暴力団の資金源を徹底的に断ち、その活動を封じ込めるための重要な措置です。 「トラブルを避けるため」「昔からの慣習だから」といった理由で支払ってしまうと、 あなたのビジネスが暴力団の活動を助けたと見なされ、行政指導や罰則の対象となり、 社会的な信用を失うことにもつながります。

もし不当な要求があった場合は、絶対に一人で抱え込まず、すぐに警察に相談してください。[2]警察は暴力団対策の専門部署を持っており、適切な対応をサポートしてくれます。

反社チェックはなぜ必要?義務とリスク

「反社チェック」とは、取引先や従業員が反社会的勢力と関係がないかを事前に確認することです。 これは、単なる「推奨」ではなく、多くの自治体の暴排条例で事業者に努力義務が課されています。

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【反社チェックを怠るリスク】
反社チェックを怠り、もし反社と取引をしてしまった場合、以下のような重大なリスクがあります。
条例違反による行政指導・罰則: 営業停止命令や過料など。
企業の信用失墜: ニュース報道などで企業イメージが著しく低下し、顧客離れや取引停止につながる。
損害賠償請求: 反社との取引によって第三者に損害を与えた場合、賠償責任を負う可能性。
事業活動への介入・乗っ取り: 反社に弱みを握られ、事業に介入されたり、乗っ取られたりする危険性。
従業員の安全確保: 従業員が反社とのトラブルに巻き込まれるリスク。

一度反社と関係を持ってしまうと、その関係を断ち切るのは非常に困難です。 そのため、「事前に関係を持たない」という姿勢が何よりも重要になります。 反社チェックは、あなたのビジネスを守るための「予防策」なのです。

反社チェックの具体的なやり方 — どこまで調べる?

では、具体的にどうやって反社チェックを行えば良いのでしょうか? 完璧なチェックは難しいですが、できる範囲でリスクを減らすための基本的なステップを紹介します。

1

基本情報の確認

まずは、取引先の会社名、代表者名、所在地などを正確に確認します。 法人であれば、法人登記簿謄本を取得し、実在する会社か、役員構成に不審な点がないかを確認しましょう。 個人事業主であれば、身分証明書の提示を求めるなど、本人確認を徹底します。

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インターネット検索

会社名や代表者名、住所などをインターネットで検索します。 特に以下の点に注意して検索してください。
・過去のニュース記事や報道で、反社との関連が報じられていないか
・不審な評判や風評がないか
・企業のウェブサイトやSNSで、事業内容が不明瞭だったり、不自然な点がないか

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検索のコツ:
「会社名 暴力団」「代表者名 詐欺」「住所 事件」など、関連キーワードを組み合わせて検索すると、より多くの情報が見つかることがあります。

3

専門機関への相談

少しでも不安を感じたら、警察署の暴力団対策課や、都道府県の暴力追放運動推進センターに相談しましょう。[2]これらの機関は、反社に関する情報や専門知識を持っており、具体的なアドバイスや情報提供をしてくれます。 また、民間の反社チェックサービスを利用するのも一つの手です。

4

契約書での対応

後述する「反社排除条項」を必ず契約書に盛り込み、相手方に署名・捺印してもらうことで、 万が一の際に契約を解除できる法的根拠を確保します。

これらのステップは、すべての取引先に対して行うべき基本的なチェックです。 特に、新規の取引や多額の金銭が動く契約の際には、より慎重なチェックが求められます。

契約書に必須の「反社排除条項」とは?

反社チェックと並んで重要なのが、契約書に「反社排除条項(暴力団排除条項)」を盛り込むことです。 これは、契約相手が反社であることが判明した場合や、反社と関係を持った場合に、 契約を解除できることをあらかじめ定めておく条項です。

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【反社排除条項の例文(一般的なもの)】
(反社会的勢力の排除)
第〇条 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、保証する。
(1) 暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下「反社会的勢力」という)に該当しないこと。
(2) 反社会的勢力が経営を支配していると認められる関係を有しないこと。
(3) 反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められる関係を有しないこと。
(4) 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に反社会的勢力を利用していると認められる関係を有しないこと。
(5) 反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有しないこと。
(6) 役員又は経営に実質的に関与している者が反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しないこと。

2. 甲及び乙は、相手方が前項の表明・保証に違反した場合は、何らの催告を要せず、直ちに本契約を解除することができる。 この場合、解除された側は、解除により生じた損害について、解除した側に対し何らの請求も行わないものとする。
※この例文は一般的なものであり、具体的な契約内容や状況に合わせて専門家と相談して作成してください。

この条項を契約書に入れることで、万が一、取引相手が反社と判明した場合でも、損害賠償なしで契約を解除できるようになります。 これは、あなたのビジネスを守るための非常に強力な盾となるため、必ず導入を検討してください。

もし反社と関わってしまったら? — 罰則と対応

もし、意図せず反社と関わってしまった、あるいは不当な要求を受けてしまった場合、どうすれば良いのでしょうか? 一番大切なのは、「一人で解決しようとしないこと」です。

【暴排条例違反の罰則(一般的なもの)】
暴排条例の規定に違反した場合、以下のような罰則が課される可能性があります。
勧告・公表: まずは行政からの勧告があり、従わない場合は企業名などが公表されることがあります。
中止命令・是正命令: 違反行為の中止や是正を命じられます。
過料・罰金: 悪質な場合は、金銭的な罰則が科されることがあります。
営業停止・許可取り消し: 最悪の場合、営業停止命令や事業許可の取り消しにつながることもあります。
これらの罰則は、あなたのビジネスの存続を脅かすほど重大なものです。[1]

不当な要求を受けた場合や、取引相手に反社の疑いがある場合は、以下の対応を速やかに行ってください。

1

警察への相談

すぐに最寄りの警察署、特に暴力団対策課に相談してください。 警察は、不当要求防止責任者講習なども行っており、具体的な対応策を指導してくれます。 匿名での相談も可能です。

2

弁護士への相談

法的な対応が必要な場合は、反社問題に詳しい弁護士に相談しましょう。 契約解除の手続きや、損害賠償請求への対応など、専門的なアドバイスが得られます。

3

証拠の保全

不当な要求の内容、日時、相手の特徴、連絡方法など、できる限り詳しく記録を残してください。 録音や録画、メールなどの証拠も有効です。

「関わってしまったら終わり」ではありません。適切な機関に相談し、毅然とした態度で対応することが、 あなたのビジネスと従業員を守るために最も重要です。

よくある質問

Q1: 昔からの常連客に反社の人がいると知ったら、どうすればいいですか?

A1: 暴排条例は、既存の客であっても反社との関係を遮断する努力義務を課しています。 まずは、そのお客様へのサービス提供を停止し、関係を断つための具体的な行動を検討してください。 トラブルを避けるためにも、一人で判断せず、警察や弁護士に相談し、適切な手順を踏むことが重要です。

Q2: 従業員が反社と関係を持っていることが発覚した場合、どうすればいいですか?

A2: 従業員が反社と関係を持つことは、お店にとって大きなリスクとなります。 まずは事実確認を行い、その関係が業務に影響を与える可能性や、お店の信用を損なう可能性があれば、 就業規則に基づいた処分や、関係解消に向けた指導を行う必要があります。 場合によっては解雇も検討されますが、労働問題に発展する可能性もあるため、 労働問題に詳しい弁護士に相談しながら慎重に進めるべきです。

Q3: 反社チェックの費用はどれくらいかかりますか?

A3: インターネット検索や法人登記簿謄本の取得など、基本的なチェックは比較的低コストで行えます。 専門の反社チェックサービスを利用する場合は、月額数万円から数十万円かかることもあります。 費用対効果を考え、取引の規模やリスクに応じて適切なサービスを選ぶことが大切です。 警察や暴力追放運動推進センターへの相談は無料です。

Q4: 契約書に反社排除条項を入れるのは、相手に失礼になりませんか?

A4: 決して失礼には当たりません。現在では、多くの企業がコンプライアンス(法令遵守)の一環として、 契約書に反社排除条項を盛り込むのが一般的になっています。 これは、健全な企業活動を行う上で当然の措置であり、相手側も理解しているはずです。 むしろ、この条項がない方が、リスク管理ができていないと見なされる可能性もあります。

Q5: 警察に相談すると、お店に目をつけられたりしませんか?

A5: 警察は、暴力団から市民や事業者を守るための機関です。 不当な要求や反社との関わりについて相談しても、お店に目をつけられることはありません。 むしろ、積極的に相談することで、警察からのサポートを受けられ、 問題が大きくなる前に解決できる可能性が高まります。 安心して相談してください。

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